2010年09月01日

Coffee BreakH サタン


 さて、神である主が造られたあらゆる野の獣のうちで、蛇が一番狡猾であった。蛇は女に言った。「あなたがたは園のどんな木からも食べてはならない、と神は、本当に言われたのですか」(3章1節) 

 第3章は、痛みと悲しみ、悔しさなしには読めません。神の創造の最後に造られた人とその妻はめでたくカップルとなり、これから幸せな生活が続くはずでした。
 ところが、とつぜん、狡猾な生き物が現れ、エバにささやきます。「神の命令に背くように。」


 女は蛇に言った。「私たちは、園にある木の実を食べてよいのです」(3章2節)
 しかし、園の中央にある木の実について、神は、『あなたがたはそれに触れてもいけない。あなたがたが死ぬといけないからだ』と仰せになりました。」(3節)
 そこで蛇は女に言った。「あなたがたは決して死にません。(4節)
 あなたがたがそれを食べるそのとき、あなたがたの目が開け、あなたがたが神のようになり、善悪を知るようになることを神は知っているのです」(5節)
 そこで女が見ると、その木はまことに食べるのに良く、目に慕わしく、賢くすると言うその木はいかにも好ましかった。それで、女はその実を取って食べ、いっしょにいた夫にも与えたので、夫も食べた。(6節)


 無邪気に神の命令を思い出している女に、蛇はその命令が「たいした事ではない」「それどころか・・・」と思うように、誘導しています。「決して、死なない。それを食べるとあなたの目が開け、あなたがたが神のようになり、善悪を知るようになることを神は知っているのです。」

 エデンの園では、人は特別あつかいの被造物でした。人だけが神と話ができ、人だけが、神の特別の配慮を受けていました。人がもし、なにかの欠けを感じるとすれば、それは彼らが「神のようでない」ということだったでしょう。
 神は全知全能でどのような事もできるが、人はその神によって、造られ保護されて存在を許されているものに過ぎません。
 彼らはなにかもどかしい思いをしていたのでしょうか。園の管理人の仕事が案外きつかった? 何か、神の操り人形のように、神の意のまま動かされているような気分になることがあった?
「エデンでは自分たちに並ぶ生き物はいない。必要はすべて満たされている。自分より上に君臨するのは、神だけだ。その神に自分たちが並び立てる? なんてすばらしい! そうなれば、パーフェクトではないか」
 満足の極地でも足りないものを思い、相手が神であっても同等になりたい、これが創造の最初から人間に付随した本能みたいなものだったのかと、気づかされる箇所です。

 結果、

 このようにして、ふたりの目は開かれ、それで彼らは自分たちが裸であることを知った。そこで、彼らは、いちじくの葉をつづり合わせて、自分たちの腰のおおいを作った。(7節)

 目が開かれるとはどういうことでしょう。それまでも、二人は物が見えなかったわけではありません。アダムは、神が連れてきた動物を見て、名前をつけていますし、女を見たときには、喜んだのです。
 
 とすると、これは、もう一つの目、神のような目でしょうか。
 神のような目で見ると、自分が裸であるのが見えたのです。それを恥ずかしく思ったのです。それで、あわてていちじくの葉をつづり合わせて腰を隠したのです。 


 そよ風の吹くころ、彼らは園を歩き回られる神である主の声を聞いた。それで人とその妻は、神である主の御顔を避けて、園の木の間に身を隠した。
 神である主は、人に呼びかけ、彼に仰せられた。
「あなたはどこにいるのか」
 彼は答えた。「私は園で、あなたの声を聞きました。それで私は裸なので、恐れて、隠れました。」
 すると、仰せになった。「あなたが裸であるのをだれがあなたに教えたのか。あなたは、食べてはならない、と命じておいた木から食べたのか。」


 神のように目が開かれた代償は大きかったのです。人は自分自身の姿を恥ずかしく思っただけではありません。神さまと、まともに顔を合わせるることができなくなったのです。
 もちろん、命令に背いて食べたといううしろめたさはあったでしょう。でも、それだけでしょうか。目が開くと同時に、彼らは、神と自分たちの力の落差を知ったのではないでしょうか。神は創造主であり、自分たちは被造物にすぎない。神は全知全能であり、自分たちは限定された力しかもっていない・・・。

 彼らは、この神の怒り、神からどれほどの処罰を受けるかを、恐れたに違いありません。そして、言い訳をするのです。
 それは、彼らの致命的な弱さ、不完全さを、ますます露呈するものでした。




   ※ ここで引用している聖書は「新改訳聖書」です。ほかにも「新共同訳」、リビングバイブル、現代語訳などがあります。


posted by さとうまさこ at 05:19| Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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