2010年09月17日

Coffee Break25 ノアの末裔(創世記6章7章8章)


 水は、百五十日間、地の上にふえ続けた。(創世記7章24節)
 神は、ノアと、箱舟の中に彼といっしょにいたすべての獣や、すべての家畜とを心に留めておられた。それで、神が地の上に風を吹き過ぎさせると、水は引き始めた。(8章1節)


 大分前のことです。ある雑誌が、結婚生活についての問題点の特集をしていました。その中で、お名前は忘れたのですが、ある評論家の方が、「もつれてどうにもならなくなった夫婦関係を、もう一度リセットしてやり直すことはできないものだろうか」と、書いていました。そのことばが出てきた状況がどのようなものかはわかりません。「どこの夫婦も」と一般化した書き方でした。長く結婚生活をしている人には、ははあと思い当たるこの「結婚生活のもつれ」を、「リセット」という言葉と結びつけているのが、印象に残りました。

 長い結婚生活では、お互いの重荷や欲求を担い合うなかで、いろんなきしみが生まれてきます。「こんなやつだと思わなかった」「こんなヘンなところがあったんだ」
 貸し借りが積み重なってもつれにもつれた夫婦関係をリセットできないだろうか。
 この評論家は、リセットを結婚の初期状態に戻す意味で使っているのであって、離婚を意味しているのではなさそうです。
 なるほど、ですが、パソコンをクリアするみたいにリセットできるかしらと、その時、思ったものでした。お互いに悪い思い出を水に流し、許しあって、一からやり直すのは、ある意味、人間関係の理想だけれど、それがなかなか出来ないのが人間でしょうと。
 それよりは、裁ちばさみでばっさりと切り分けて、右と左に分けてしまうほうがずっと手っ取り早い?
  

 神さまが、地上の人間の悪をご覧になって、「人間を造ったことを悔やむ、これらを滅ぼす」と言われたとき、神さまは、人間の絶滅を考えておられたのでしょうか。でも、そのなかで、ノアとその家族を選び出し、もう一度人間との関係をやり直そうとされたのです。

 洪水で徹底的に洗い直された地上を思い浮かべるとき、私は、先の評論家の「リセット」という言葉を思い出しました。神さまは、人間との関係をばっさり切ることもできたのですが、悪いものを消し去って、やり直そうとしてくださったわけです。0.00001パーセントの「正しい人」に目を止めて、洪水の後ノアとその家族が暮らしていけるように、あらゆる動物をペアで、また食料やささげ物になる動物は7つがいずつ、箱舟に避難させるよう細かい指示もされて、ともかく、もう一度、ご自分が造った人間と語り合いたいと思ってくださったのです。



 また、大いなる水の源と天の水門が閉ざされ、天からの大雨が、とどめられた。(8章2節)
 そして、水は、しだいに地から引いていった。水は150日の終わりに減り始め、(3節)
 箱舟は、第七の月の十七日に、アララテの山の上にとどまった。(4節)
 水は第十の月まで、ますます減り続け、第十の月の一日に、山々の頂が現れた。(5節)
 四十日の終わりになって、ノアは、自分の造った箱舟の窓を開き、(6節)
 カラスを放った。すると、それは、水が地からかわききるまで、出たり、戻ったりしていた。(7節)
 また、彼は水が地の面から引いたかどうか見るために、鳩を彼のもとから放った。(8節)
 鳩は、その足を休める場所が見当たらなかったので、箱舟の彼のもとに帰って来た。水が全地の面にあったからである。彼は手を差し伸べて鳩を捕らえ、箱舟の自分のところに入れた。(9節)
 それから、なお七日待って、再び鳩を箱舟から放った。(10節)
 鳩は夕方になって、彼のもとに帰って来た。すると、見よ。むしりとったばかりのオリーブの若葉がそのくちばしにあるではないか。それで、ノアは水が地から引いたのを知ったのである。(11節)
 

 創世記8章のこの場面は、たくさんの絵にも描かれています。とても、迫力のある場面で、ビジュアルであるだけではなくて、感動的です。
 鳩がオリーブのもぎ取ったばかりの若葉を口に戻ってくるところでは、誰しも、深い安堵感を覚えるのではないでしょうか。
 新しい大地と新しい世界。神が、地上をリセットしてくださったことが、はっきりした最初のシーンです。
 
 もちろん、地上のリセットは、神ご自身のためではなく、わたしたち人間のためでした。なぜなら、神は、万物の創造主、神さまにとって、もう一度、宇宙や地球、人間を初めから造りなおすなんてことは、簡単なことだからです。

 神さまは、わたしたちを愛しく思われ、憐れんで下さったのです。


 それからなお、七日待って、彼は鳩を放った。鳩はもうかれのところに戻って来なかった。(8章12節)

 わたしたちは、このノアの末裔なのだと、改めて思うのです。




☆☆☆ 佐々木正明先生のブログをリンクしました。☆☆☆
     文化のはざまで (エッセイ集/文化論)
     聖書を読むぞー (聖書通読のための手引きです。分厚い聖書をどのように読むか、
                  やさしく解説してくださっています。)
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posted by さとうまさこ at 04:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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