2010年10月11日

Coffee Break49 イサクの結婚




 アブラハムは、風の便りに「故郷ハランに弟の孫娘がいて、適齢期らしい」と聞きました。その主人の命を受けて、アブラハムの家の最年長のしもべは、はるばる八百キロの道のりをらくだの編隊を組んで旅に出ることになりました。今なら、新幹線で四時間の道中も、当時は、道も悪く、危険極まりないものだったでしょう。まして、宝物を載せているのですから、同行する者たちは腕っぷしの強い、しかも信頼できる人間でなければなりません。

 いったいどれくらいの時間がかかったのかしら、夜はどこで泊まったのかしらと想像する二十一世紀の読者である私など、ちょっとロマンチックな、うらやましいような旅行を思い浮かべるのです。月の砂漠をはるばると〜♪、子供のころ好きだった歌を思い出します。 


 聖書の物語の要点は、旅の困難やスリルを書くことではないので、創世記24章10節で、出立したしもべとその一行の話は、すぐ、11節で、目的地ナホルの町に到着しています。ナホルの名前が町の名前であることからして、ナホルは有力な族長だったのでしょう。
 夕暮れ時でした。
 日中、炎暑の砂漠地帯では、女たちは朝と夕方の涼しい時間に水を汲みにやってくるのです。

 しもべは町の外の井戸のそばに、らくだを伏させ、もちろん同行してきた者たちを休息させ、神に祈り始めます。


「私の主人アブラハムの神、主よ。きょう、私のためにどうか取り計らってください。私の主人アブラハムに恵みを施してください。(24章12節)
 ご覧下さい。私は泉のほとりに立っています。この町の人々の娘たちが、水を汲みに出てまいりましょう。(13節)
 私が娘に『どうかあなたの水がめを傾けて私に飲ませてください』と言い、その娘が『お飲みください。私はあなたのらくだにも水を飲ませましょう』と言ったなら、その娘こそ、あなたがしもべイサクのために定めておられたのです。このことで私は、あなたが私の主人に恵みを施されたことを知ることができますように。」(14節)
 
 こうして彼がまだ言い終わらないうちに、見よ、リベカが水がめを肩に載せて出てきた。(15節)

 この娘は非常に美しく、処女で、男に触れたことがなかった。彼女は泉に降りて行き、水がめに水を満たし、そして上がって来た。(16節)

 しもべは彼女に会いに走って行き、そして言った。
「どうか、あなたの水がめから、少し水を飲ませてください。」(17節)
 すると彼女は、「どうぞ、お飲みください。だんな様」と言って、すばやく、その手に水がめを取り降ろし、彼に飲ませた。(18節)
 彼に水を飲ませ終わると、彼女は、「あなたのらくだのためにも、それがのみ終わるまで、水を汲んで差し上げましょう」と言った。(19節)


 最初に井戸にやってきた美しい娘リベカは、しもべの期待通りにふるまうではありませんか。
 しもべは固唾を飲んで、リベカを見つめていました。あまりに祈っていたとおりなので、目を疑ったかもしれません。すぐさま、金の飾り輪と腕輪を二つ取って、リベカに差しだし、彼女の父親の名前と、そこに宿泊できるかどうかを訊ねました。
 彼女の答えは、また、しもべの期待した通りでした。


「私はナホルの妻ミルカの子ベトエルの娘です。」(24節)
 そして、言った。「私たちのところには、わらも飼料もたくさんあります。また、お泊りになる場所もあります。」(25節)


 しもべは、またすぐにひざまずいて神に祈りました。

「私の主人アブラハムの神、主がほめたたえられますように。主は私の主人に対する恵みとまこととをお捨てにならなかった。主はこの私をも途中つつがなく、私の主人の兄弟の家に導かれた。」(27節)


 リベカがすぐに家に戻って、しもべのことを告げたので、リベカの兄ラバンが走ってきて応対し、しもべの一行を家に案内しました。
 家にはリベカの両親もいて、しもべは彼らの親族アブラハムの現在の暮らしぶり、豊かな生活、ひとり息子イサクのこと、その花嫁を親族から迎えたいと願う主人の気持ちを、みんなに語りました。
 そして、何より、この花嫁探しの旅に神が同行してくださって、ここまでくることができたのだから、
「それで今、あなたが私の主人に、恵みとまこととを施してくださるのなら、私にそう言ってください。そうでなければ、そうでないと私に言ってください。それによって、私は右か左に向かうことになるでしょう。」(49節)

 ラバンとベトエルは答えて言った。「このことは主から出たことですから、私たちはあなたによしあしを言うことはできません。(50章)
 ご覧下さい。リベカはあなたの前にいます。どうぞ、連れて行ってください。主が仰せられたとおり、あなたの主人のご子息の妻となりますように。」(51章)



☆ ☆ ☆

 あらかじめ縁談を打診していたわけでもなく、見合い写真の交換もない時代ですから、このプロポーズと、その結果は、あまりに唐突に感じられるかもしれません。今の時代から見ると、当のリベカを差し置いて兄と父だけで決めて、答えているのも腑に落ちない気がします。


 しかし、これが、神が「主の選びの民の一族」をお造りになる、決定的瞬間でした。

 このリベカとイサクの間の子どもが、エサウとヤコブ、そして、ヤコブが神様からイスラエルと言う名前を賜り、彼の十二人の息子たちが、イスラエル十二氏族の始祖となって、イスラエル民族を形作っていくのです。
 それゆえ、アブラハムを選び出された天地万物を創造された聖書の神は、アブラハム・イサク・ヤコブの神と言われるようになります。その子孫の家庭に、イエス・キリストが降誕されるのです。



 
posted by さとうまさこ at 04:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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