2010年10月19日

Coffee Break57 恋・結婚




 主がヤコブを守ってくださったのでしょう。ヤコブは、無事伯父ラバンの暮らすハランに到着するのです。
 アブラハムのしもべが最初、村はずれの井戸のそばに立ったように、ヤコブも井戸のそばに到着しました。まだ日が高い時間でした。まわりには羊の群れが三つほど伏して休息していました。羊に水を飲ませる時間も決まっていました。井戸の口は、いつもな大きな石でふさがれていて、井戸を使うときはそれを取り除くのです。ですから、水を飲ませるのは、羊飼いたちの共同作業だったのでしょう。
 ヤコブは羊飼いたちに、どこから来たのか聞きました。「ハランの者だ」と答えが返ってきます。「ラバンをご存知ですか」「知っています」、そんなやり取りの中で、伯父が元気であることも知ります。
 羊飼いたちは、近づいてくる娘と羊の群れを指して、「ラバンの娘ですよ」とヤコブに教えます。当時、羊飼いのなかには、若い女性もいたのでしょう。少し時代は下りますが、モーセが最初エジプトから逃げてミディアンの地に着いた時、羊を飼っている娘たちが荒くれ男たちから嫌がらせを受けているのを助けて、その結果、その娘たちの一人と結婚することになるのです。(出エジプト2章16節17節)

 ヤコブはラケルに走りより、ラケルのために井戸の石を転がして、ラバンの羊に水を飲ませます。それから、ラケルに口付けし、声を上げて泣く(29章11節)のです。また、自分はリベカの息子であると自己紹介をします。ラケルはすぐに走り帰り、ヤコブのことを父ラバンに知らせます。


 ラバンは妹の子ヤコブのことを聞くとすぐ、彼を迎えに走って行き、彼を抱いて口づけした。そして、彼を自分の家に連れてきた。ヤコブはラバンに、事の次第をすべて話した。(創世記29章13節)
 ラバンは彼に、「あなたはほんとうに私の骨肉です」と言った。こうしてヤコブは彼のところに一ヶ月滞在した。(14節)


 一ヶ月ほど経ったとき、ラバンは言いました。

「あなたが私の親類だからと言って、ただで私に仕えることもなかろう。どういう報酬がほしいか、言ってください。」(13節)


 もともと気働きがあり、意欲的なヤコブですから、いろいろ手伝いをしているうちに伯父の気に入り、責任のある仕事を持たせようと思ってもらえるようになったのでしょう。
 ラバンには、ラケルと彼女の姉レアの二人の娘がいました。ヤコブはラケルを好きになっていました。たぶん、井戸のそばで初めて彼女の姿を見たときに、恋に落ちたのです。
 レアの目は弱々しかったが、ラケルは姿も顔立ちも美しかった。(17節)と書かれています。
 それで、ヤコブは、「あなたの下の娘ラケルのために、七年間働きましょう」と申し出るのです。
 ラバンも、「娘を他人にやるよりは、あなたに上げるほうが良い。私のところにとどまっていなさい」と言います。

 七年間の無償の労働、それは、ラケルの花嫁料でしたから、ヤコブは懸命に働きました。
 彼女を愛していたので、それもほんの数日のように(20節)思われたのです。


 七年目が終わったとき、
 ヤコブはラバンに申し出た。私の妻を下さい。期間も満了したのですから。私は彼女のところに入りたいのです。」(21節)
 そこでラバンは、そのところの人々をみな集めて祝宴を催した。(22節)



 伯父の娘、美しい従姉妹ラケルといよいよ結婚することになりました。ヤコブの労働は報われ、はじめは逃亡者であった生活にも根が張り、芽が出て順調に伸びるかと思われました。

 ところが、婚礼の夜、伯父ラバンは姉娘レアをヤコブのところに送りました。朝になって見ると、相手はラケルではなくレアだったのです。この箇所は現代の私たちにはふしぎに思えます。ふたりが一夜を明かす天幕は、ほとんど真っ暗だったのでしょうか。その上、レアは父ラバンから口を聞かないよう言い含められていたのかもしれません。
 ヤコブは伯父に抗議しました。
 伯父は、「われわれのところでは、長女より先に妹を嫁がせるようなことはしないのです。」(26節)と言いました。
 この婚礼の週をレアと過ごせば、一週間後にはラケルをも与えようと言うのです。
 それで、ヤコブはラケルのためにもう七年間、働く約束をしました。
 ほとんど、同時に二人の妻を得たのですが、ヤコブはこうして伯父に縛り付けられることになりました。




posted by さとうまさこ at 04:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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