2010年10月28日

Coffee Break66 絶えない苦労




 ヤコブの苦労は続きます。
 兄エサウが招いてくれたにもかかわらず、ヤコブは、エドムに行かず、西のシェケム(場所名)に移動します。そこで、シェケムの地の一部を土地の族長ハモルから買取り、住むことにします。

 ここで事件が起こります。
 レアが産んだ娘ディナが地元の娘と友達になろうと出歩いた時のことです。ハモルの息子シェケム(人の名前)が彼女に関心をもち、連れて行って関係をもってしまいます。これが今で言う「拉致強姦」のようなものだったのかどうかわかりません。シェケムはディナを好きになって、彼女と結婚できるよう父ハモルに頼みました。ハモルは早速ヤコブに会いにいき、「お嬢さんを下さい。私たちの娘も差し上げましょう。お互いに親戚になりましょう。そうしてこの地を自由に行き来してください。どのような条件でも、お望みの花嫁料でもお払いします」と申し込みをしました。

 しかし、ヤコブの息子たちは納得しません。妹が辱められたというわけです。
 息子たちは、悪だくみを考え出します。ハモルに、結婚の条件として、ハモルの一族、シェケムの町の男たち全員が割礼(男性の性器の表皮を切り取る儀式──神がアブラハムとの契約でアブラハムの一族の男たちに命じた契約のしるし)を受けるよう提案します。ハモル側は承知して、一族だけではなく、町にいる男たちすべてが割礼を受けました。
 その傷が一番痛む三日目に、レアの次男シメオンと三男レビは武装して町を襲い、ディナを取り返し、ハモルの一族、シェケムの人々を皆殺しにします。家畜から女子どもまで、略奪のかぎりを尽くすと言う凄惨なものでした。

 ヤコブはシメオンとレビに、「おまえたちは、困ったことをしてくれた。私たちは彼らに復讐されたらひとたまりもない。私も私の家も根絶やしにされる」と言い、すぐに、その地を引き払うことにしました。

☆☆☆☆


 そのとき、神はヤコブに仰せられます。

「ベテルに上り、そこに住みなさい。そこにあなたが兄エサウから逃れていたとき、あなたに現れた神のために祭壇を築きなさい。」(創世記35章1節)
 ヤコブは自分の家族と、自分といっしょにいるすべての者とに言った。「あなた方の中にある異国の神々を取り除き、身をきよめ、着物を着替えなさい。(2節)
 私たちは立って、ベテルに上っていこう。私はそこで、私の苦難の日に答え、私の歩いた道に、いつも私とともにおられた神に祭壇を築こう。」(3節)


 息子たちと娘が招いた「事態」は、相当深刻だったのでしょう。ここには、ヤコブの決意のほどが見て取れます。兄エサウの怒りも解けたし、ともかくも土地を買って一族が安定した暮らしを始めたところでしたが、ゆるみがあったのです。
 未婚の若い娘が一人で慣れない土地を出歩くこと、息子たちが腹立ち紛れに不法を行なったこと、それに、彼らの家には、異国の神々が紛れ込んでいました。ラケルが父の家から盗んできたテラフィム以外にもあったようです。
 ヤコブはそれらをすべて捨てさせ、シェケムの樫の木の下に埋めました。こうしたきよめの行為をご覧になった神は、彼らの周りや行く手の町々を恐怖に陥れたので、彼らは無事ベテルまで旅をすることができました。
 
 ヤコブはその地に祭壇を築き、その場所をエル・ベテルと呼んだ。それは、彼が兄から逃れてきたとき、神がそこで現れたからである。(7節)
 こうしてヤコブがパダン・アラムから帰って来たとき、神は再び彼に現れ、彼を祝福された。(9節)
 

 神はここで再び、ヤコブの名前がイスラエルと呼ばれると宣言されるのです。
 
「わたしは全能の神である。
生めよ。ふえよ。
 一つの国民、諸国の民のつどいが、
 あなたから出て、
 王たちがあなたの腰から出る。      (11節)
 わたしはアブラハムとイサクに与えた地を、
 あなたに与え、
 あなたの後の子孫にも
 その地を与えよう。」           (12節)
 神は彼に語られた所で、彼を離れて上られた。(13節)



 神から改めて、祝福をいただいたヤコブでしたが、この後、ベテルからエフラテまで行く途中、最愛の妻ラケルを難産のために失います。末っ子のベニヤミンの誕生と引き換えでした。



posted by さとうまさこ at 04:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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