2010年12月13日

Coffee Break112 最大の奇蹟





 「聖書から、奇蹟を取り除いたら表紙しか残らない」と、韓国のチョ・ヨンギ牧師が説教で、話しておられました。
 
「そのとおりです」と、思わずうなずきました。同時に、奇跡だけしかないなら、聖書はいまこの世界で、二十億とも三十億とも言われるクリスチャンたちの、心の支えになるだろうかと思ったものです。

 聖書は、神さまが主役の物語ですから、たしかに、人間の想像力を超えているのです。荒唐無稽なのは、聖書の神のような神はほかにいないからで、どのように想像したらいいのか、たとえ、クリスチャンであっても聖書に精通している人であっても、完全には理解し得ないほどの大きな存在だからです。天と地とそこに住むすべての動物と、そこに生えるすべての植物とをお造りになり、最後に人間をお造りになったのは、神なのです。


 聖書の物語は、このように人の想像を絶する神が、人間を取り扱っておられる話なのです。
 それは認められないと言う人がいるかもしれませんが、それを認めないと結局、話の筋が通らないのです。
 土のちりから人を形作り、人の鼻からいのちの息を吹き込まれたら、人が「生きるもの」となったのです。(創世記1章) これは神の全能性です。何でもできる方はこういうことがおできになるのです。何でもできる方だと認めないならば、まずここから先に進めません。


 Coffee Break3で、私は、かつて、ベストセラーだった子ども向き人気小説「ハリー・ポッター」を挙げて、「ハリー・ポッターは、魔法使いがいて、魔法使いの世界があって、魔法というものがある」前提を認めなければ、まったく意味をなさないと書きました。
 神様と魔法使いを並べるのは、大きな誤解を招くとは思いましたが、私は、ごくふつうに書物を読む「作法の基本」を話したのです。


 同様に、聖書は、神が主役であるだけでなく、聖書の神のもっておられる全能性を認めなければ、理解できるものではありません。


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 聖書の奇蹟の最大のものは、なんといっても、天地創造
でしょう。宇宙万物すべてを造ることに比べたら、杖が蛇に変わる、ナイルの水が血に変わる、かえる、ぶよ、あぶの大発生。疫病、腫物、雹、いなご、暗やみ、初子の死、どれも、小さいと思えるくらいの奇蹟です。
 雲の柱・火の柱も、神にとっては出現させるのは簡単なことでしょう。
 この後は、有名な葦の海が割れる奇跡(出エジプト記14章)が起こるのです。

 しかし、自然現象を合理的に説明しようとする「自然科学的思考」を粉砕するような、こうした記述だけに目を奪われるのは、本質を見失わないでしょうか。


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 聖書の神を考えるとき、神の万能の力以上に、忘れてはならないことがあります。

 「聖さと愛」という至高の性質をもち、生きて働かれる神だということです。(このブログのリンク・佐々木先生のサイト、やさしい「神の国」講座・2章U参照) 
 神は、善悪の知識の木から、実を取って食べてはならないという命令に背いたアダムとエバを、悲しみながらエデンの園から追放されました。
 
 罪を犯し続ける人類全部の中から、ノアに語りかけて、ノアとその一家に箱舟を作らせて、洪水から生き延びさせました。
 いただきが天に届く塔を作って、名を上げようという人間たちを、全地に散らしました。
 アブラハムをハランから召し出されました。アブラハムを「全人類の父」といわれるにふさわしい器として、その信仰を成長させ、極限まで鍛えらました。
 その息子イサクや孫ヤコブにも顕現され、ご自分を、アブラハム・イサク・ヤコブの神として、彼らを守り、ヤコブにイスラエルという名を与えられました。小さな群れであるイスラエルをエジプトに移し、やがて、時が来たとき、神は彼らをエジプトから救い出されました。それが、出エジプト記です。


 自然の中に奇跡を行なう以上に、神がもっとも強く働いて支配しておられるのは、人間の世界、人間の心です。その目的は人間の救いです。それが創世記以来の物語の、一貫したテーマではないでしょうか。
 もっと厳密に言えば、「神との関係における」人間の心です。
 モーセとパロのやり取り、モーセとイスラエルの民とのやりとり、そうした葛藤さえ、すでにご存知で、すでにパロでさえ神が支配しておられることに、私たちは気がつくのです。
 
 おろかなのは、パロだけではありません。イスラエルの民もまた、神の目からごらんになったら、おろかな弱い人間です。
 出エジプト記を読み進めるにつれ、私たちはこのような人間のおろかさに、はがゆくなり、批判的になります。
 また、神と民との間に立っているモーセの立場に、預言者の姿を見るのです。






posted by さとうまさこ at 04:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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