2010年12月14日

Coffee Break113 預言者モーセ(出エジプト記13章14章)





「こうして彼らはスコテから出て行き、荒野の端にあるエタムに宿営した。(出エジプト記13章20節)

 近道でしたが、強いペリシテ人との戦いになるかもしれない地中海沿いの道を避けて、モーセに率いられたイスラエル人の一行は、葦の海に沿う荒野にまわったのでした。

 ようやく、エタムでホッと一息したところで、主は意外な命令をモーセに仰せになりました。

「イスラエル人に、引き返すように言え。そして、ミグドルと海の間にあるピ・ハヒロテに面したバアル・ツェフォンの手前で宿営せよ。あなたがたは、それに向かって宿営しなければならない。」(14章2節) 

「ええ! なんでえ」
 もし、私たちがトレッキングしていて、また、ガイドツアーで山に行って、ある方向に進んでいる時、最初その道に導いたガイドが引き返そうと言えば、納得できる理由をきくでしょう。昨日まで通っていた道が、がけ崩れで途切れていたとしても、ガイドがそのような情報を調べていなかったと不満に思うのではないでしょうか。
 エジプトを出たイスラエルの民は、女・子ども、年寄り、家畜。それに外国人まで混ざっている集団でした。「整然と」歩くのは不可能で、「騒然と」していたことでしょう。


 それに、みんな一刻も早く、少しでもエジプトから遠くに行きたいのです。
 今来たコースを引き返すと聞いて、文句を言った人は、たくさんいたにちがいありません。
 主はモーセに理由を述べています。

「パロはイスラエル人について、『彼らはあの地で迷っている。荒野は彼らを閉じ込めてしまった』というであろう。(3節)
 わたしはパロの心をかたくなにし、彼が彼らのあとを追えば、パロとその全軍勢を通してわたしは栄光を現し、エジプトはわたしが主であることを知るようになる』 そこでイスラエル人はそのとおりにした。(4節)


 イスラエル人は主の仰せのとおりにしたのですが、民は直接主の声を聞くことはできません。モーセが主の声を聞いて民に告げるのです。
 民は、指導者モーセの預言者としての立場や能力は認めています。ですから、モーセの命令には従うのですが、危機が来ると、すぐに揺れ動くのです。
 
 一方、パロ(エジプト王)は、イスラエル人が三日経っても戻ってきそうもないこと、奴隷労働者がいなくなる損失に、あらためて気がつきました。そこで、戦車や軍団を仕立てて、イスラエルの民を追跡しました。

 片や、烏合の衆ともいえるような集団。片や、戦車や騎兵が整った、訓練された軍隊です。たちまちにして、追いついてきました。
 イスラエル人の集団があわてふためいたのは言うまでもありません。
 パニック状態になった彼らは叫びました。
 14章10節では、「主に向かって叫んだ。」と書かれていますが、じっさいには、モーセに向かって叫んだのです。

「エジプトには墓がないので、あなたは私たちを連れてきて、この荒野で死なせるのですか。私たちをエジプトから連れ出したりして、いったい何ということを私たちにしてくれたのです。」(11節)

 モーセがエジプトに戻ってきて、神の言葉を伝えた最初の頃、モーセの提案を渋ったことまで、持ち出して非難します。

「私たちがエジプトであなたに言ったことはこうではありませんでしたか。『私たちのことをかまわないで、エジプトに仕えさせてください』事実、エジプトに仕えるほうがこの荒野で死ぬよりも私たちには良かったのです。」(12節)
 

 そこまで言うの。ぜんぶ、モーセのせいなの、と反論したいような内容です。
 モーセは、しかし、そのような人間的な反論をしません。モーセは主の声を直接聞き、それを伝えている預言者だったからです。
 モーセは、「恐れてはいけない。しっかり立って、主の救いを見なさい。」と言います。
 同時に、神に向かって民の叫びを伝えようとしたのでしょう。
 
 主はモーセに仰せられた。「なぜあなたはわたしに向かって叫ぶのか。イスラエル人に前進するように言え。」(15節)

 前進せよと言われても、前面は葦の海でした。
 




posted by さとうまさこ at 04:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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