2010年12月29日

Coffee Break128 姦淫について(出エジプト記21章22章)




 「姦淫」を、文字通り今の常識で解釈すると、妻や夫がいるのに他の異性と関係をもつことでしょう。まさに、「不倫」です。
 なかには、「妻がうるさいから」「夫に知れるとまずい」「後々めんどうだから」「社会的なスキャンダルがこわい」から、不倫はいけないなどと言う人もいるでしょうか。
 その裏返しで、「楽しければいいじゃない」「秘密ならいいじゃない」などの声さえ聞こえてきそうな時代です。

 じっさい、人間の頭で考えると「姦淫してはならない」は、難しいのです。
 大切なのは、十戒が人間の戒めではなく、「神の命令だから」だということです。神様が「してはいけない」とおっしゃることだと言う点が大切なのです。

 神様が最初の人間を造られた時、男と女が一人ずつでした。それが神様の御心でした。不倫や姦通がいけない理由の第一は、それが人を傷つけるからではありません。私たちをお造りになった神さまの、「創造のわざ」を傷つけるからです。人間をはじめ、すべての創造物は、すなおに神様の創造のわざに沿って生き、存在することがもっともすばらしく、美しく調和するのです。人間は本来、一夫一婦で生きることがもっとも安らぎのある、豊かな生き方ができるように造られているのです。


 ただ、姦淫の意味は、相当曖昧でした。配偶者がいるのに他の異性と親しくするのは、女の場合は罰せられました。しかし、男の場合は、すでに一夫多妻である者、妾を持つ者もいて、それが社会的に容認されていました。その大きな理由は、女には経済力がなかったことです。経済力がない女を、経済力のある男が養うのです。
 いまのようなIT社会、軽労働の社会ではありません。牧畜も農業も男の腕力なしには成り立ちません。とくに、中東のように気象気候がはげしく、また、民族や部族の出入りが多くていつも戦争になっているような場所では、男がいないのは致命的でした。家を継ぎ、指導し、治めるのは男でした。
 
 それで、夫が複数の妻を持つ場合の、妻たちの心理的な悲しみなどは、あまり問題になりませんでした。(いまなら、精神的虐待!! 聖書には一人の夫の妻たちの確執と悲しみの物語が、いくつも記されています)
 しかし、これは古代イスラエルに限りません。日本でも、ほん、百年前まではありふれた感覚でした。妻が夫の妾に嫉妬するなど、「はしたない」と非難されたのです。


☆☆☆☆

 十戒が「姦淫」と指定する関係は、人妻なら、夫以外の男との性的関係です。しかし、夫の場合は、女を作っても妻に対して「姦淫」になるのではありません。相手が人妻である場合だけが、姦淫になるのです。

 イスラエルの二代目の王ダビデが、ウリヤの妻パテシェバとの関係を咎められたのは、ダビデに妻がいたからではありません。ダビデは、その時点ですでに三人以上の妻がいました。ダビデが咎められたのは、パテシェバにはダビデ王のために戦場で戦っている夫がいて、その留守中にダビデがパテシェバを召し、しかも、彼女を手に入れるために、パテシェバの夫をわざわざ危険な最前線に送って殺してしまったからです。(Uサムエル記11章14節15節)
 この時、神様は「望むならもっと与えたであろうに」と言っておられます。ダビデが咎められたのは、人妻を盗んだからで、これは「姦淫するな」に触れたのではなく、八番目の「盗んではならない」。十番目の「欲してはならない」に触れているのです。(Uサムエル記12章8節)


 男が、どうしてこのように寛大に扱われたのかと、腹立たしく思う人もいるかもしれませんが、すでに不公平が当たり前の社会で、完全に一夫一婦を守れと言ったところで、「絵に描いたモチ」、ぜったいに実現できない人間社会に、神様がぎりぎりのところまで譲歩されたのでしょう。

 神様が女性に配慮されなかったと言うのではありません。

 たとえば、21章10節には、「もし彼が他の女を娶るなら、先の女への食べ物、着物、夫婦の務めを減らしてはならない。」と、記されています。
 また、独身の女性(婚約者もいない女性)を誘って寝た場合は、その女性の親に花嫁料を払って結婚しなければならない。(22章15節)
 その父が彼女をその人に与えることを固く拒むなら、その人は処女のために定められた花嫁料に相当する銀を支払わなければならない。(22章16節) 
 
 これらも、当時は、弱い立場の女性を配慮した掟だったのでしょう。

 しかし、このような男性中心のモラルを、イエス様は嫌われました。
 あすはイエス様が、姦淫をどのように見ておられたか、新約聖書を見てみたいと思います。



posted by さとうまさこ at 04:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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