2010年12月31日

Coffee Break130 結婚と離婚(マタイの福音書)




 イエス様は続けて言われます。

 また、『だれでも、妻を離別するものは、妻に離婚状を与えよ』と言われています。(マタイの福音書5章31節)
 しかし、わたしはあなたがたに言います。だれであっても、不貞以外の理由で妻を離別するものは、妻に姦淫を犯させるのです。また、だれでも、離別された女と結婚すれば、姦淫を犯すのです。(32節)
 

 わあー、きびしい!と、思われるでしょうか。今のように、男女の出会いと別れが日常的な世の中では、みんなゲヘナ(地獄)行きです。何しろ、たとえ相手が遊女(娼婦)であっても、男女が肉体的に結ばれることは、結婚を意味したからです。(参照Tコリント6:16)

 男が妻を離別することだけでなく、夫の身勝手で離婚することになった女であっても、「彼女と結婚する男は姦淫を犯す」とイエス様は言われているのです。これでは、いまの感覚からすると、一方的に離別された女は再婚も叶わなくて、いっそうきびしい状況に置かれるような気がします。
 バツイチのやり直し人生は、叶わないのでしょうか。

 一体、イエス様の真意はどこにあるのでしょう。

 日本にも江戸時代、三行半(みくだりはん)という離婚状がありました。離婚状をもらえば、もとの夫の束縛から自由になって再婚ができる利点があったようです。もし、離婚状がなければ、事実上結婚生活が終わっていても、別居していても、ほかの男性とおつきあいできないからです。
 しかし、女の側からの離婚はありえないのですから、離婚そのものが男の都合で行なわれた事例も多かったでしょう。モーセの時代の十戒の「姦淫してはいけない」が、事実上男性には「ザル法」だったように、不利なのは女性なのです。

 そういえば、戦前まで、日本にも「姦通罪」なるものがあったのです。ただし、当てはまるのは、やはり、妻だけでした。
 イエス様は、まず、男性側の身勝手を戒められたのです。
 当時の女性は、離婚状をもらえば自由になって再婚ができたのかも知れませんが、その場合も、「それは姦淫である。元の夫が仕向けた姦淫である」とおっしゃるのです。

 同じマタイの19章で、同じ問題が、もう一度出てきます。ファリサイ人(宗教的エリート)が、イエス様の神学的観点を試そうとして、質問を吹っかけます。

「何か理由があれば、妻を離別することは律法に叶っているでしょうか。」(3節)
「創造者(神)は、初めから人を男と女に造って、(4節)
『それゆえ、人は父と母を離れ、その妻と結ばれ、ふたりは一体となる』と言われたのです。それを、あなたがたは読んだことはないのですか。(5節)
 それで、もはやふたりではなく、ひとりなのです。こういうわけで、人は、神が結び合わせたものを引き離してはなりません。」(6節)
 
 

 人がどう願おうと、人の欲望がどのように動こうと、一度結ばれた男女は、神様が結び付けられたのだから、人の都合で離してはならない。つまり、同時に二人と付き合う一夫多妻だけでなく、生涯に何度か結婚する時間差的な複数婚も、姦淫になるといわれるのです。
 もちろん、これは死別の場合は当てはまりません。結婚式の誓いに今でもあるように、「死が二人を分かつまで」の掟です。(参照ローマ書7:3)

 今は、離婚が容易な分、同時間における法律上の一夫多妻(一妻多夫)状態で苦しむ人は少ないかもしれません。でも事実上の第二妻として、あるいは第二夫として苦しんでいる人は少なくないでしょう。ましてや、時期をずらして別の相手と結ばれるのも姦淫だとなると、どうでしょう。

 時代や、人がそれを許しても、神様の御心は違うことは、「知っている」必要があるのではないでしょうか。十戒で、人間の現実に譲歩してくださったように、神様はいまも私たちの弱さや悲しさを憐れんでくださり、譲歩してくださっています。

 イエス様は、神様が人々の罪と弱さのために譲歩してくださった律法を、形ばかり守っているだけで威張っている宗教的エリートたちをご覧になって、とても心をお痛めになっているのです。彼らに、本来の神の高い倫理を教えて彼らの罪を暴き、彼らも罪人にすぎないことを自覚させ、なんとか悔い改めに導こうとされたのです。

 いま聖書を読んで、その戒めは厳しすぎると感じる人たちが、たくさんいることでしょう。でも神様は、人々を汚らわしいからと嫌い、軽蔑し、拒絶するために、この厳しい聖書を与えてくださっているのではありません。そのような人たちも、自分は罪人に過ぎないと自覚して、神様の赦しを得て、幸いな人生を送ることができるようにと願っておられるのです。

 厳しい戒めの背後にある、神様の大きな愛を見失ってはいけないと思います。



posted by さとうまさこ at 04:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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