2011年04月30日

Coffee Break245 カナン入りの準備(民数記31章)



「あなたはアロンと、その子エリアザルを連れてホル山に登れ。
 アロンにその衣服を脱がせ、これをその子エリアザルに着せよ。アロンは先祖の民に加えられ、そこで死ぬ。」(民数記20節25節26節)


 これは、アロンが死ぬときの聖書の記事です。モーセは、主が命じられた通り行い、イスラエルの全会衆が見送る中、彼らはホル山に登ります。そこで、モーセはアロンの衣服(大祭司の正装)を脱がせ、アロンの息子のエリアザルに着せるのです。

 そして、アロンはその山の頂で死んだ。モーセとエリアザルが山から降りて来たとき、全会衆はアロンが息絶えたのを知った。そのためイスラエルの全家は三十日の間、アロンのために泣き悲しんだ。(27節〜29節)のです。

 モーセの「退場」は、アロンの最期のように、そっけないものではありません。
 なんといっても、「出エジプト」はモーセの存在なしには、考えられない出来事でした。その出エジプトを完遂し、ヨシュアがカナンに入る前にできるかぎりの準備を整えて、バトンを渡す必要があったのです。

 民数記では、モーセからヨシュアへの交代が全会衆に宣言されてから、まだ、モーセがさまざまな「仕事」をしています。
 ミディアンの女たちとイスラエルの男たちの間に起きた事件、それにともなう偶像崇拝への神罰で二万四千人が死んだ出来事。二度目の人口調査の結果に対する対応。また、女ばかりの家族に対する割り当て地に対するおきて。カナンに入った時のささげ物規定の追加など、カナンに入る前に、解決しておかなければいけない問題が残されていました。

☆☆☆☆


 民数記31章は、ミディアン人とのいくさについて記しています。

 
 主はモーセに告げて仰せられた。(民数記31章1節)
 「ミディアン人にイスラエル人の仇を報いよ。その後あなたは、あなたの民に加えられる。」(2節)
 
 モーセは部族ごとに千人ずつをいくさに送った。祭司エリアザルの子ピネハスを、聖具と吹き鳴らすラッパをその手に持たせて、彼らとともにいくさに送った。(民数記31章6節)
 彼らは主がモーセに命じられたとおりに、ミディアン人と戦って、その男子すべてを殺した。(7節)
 彼らはその殺した者たちのほかに、ミディアンの王たち、エビ、レケム、ツル、フル、レバの五人の王たちを殺した。彼らはベオルの子バラムを剣で殺した。(8節)
 イスラエル人はミディアン人の女、子どもをとりこにし、またその獣や、家畜や、その財産をことごとく奪い取り、(9節)
 彼らの住んでいた町々や陣営を全部火で焼いた。(10節)
 そして人も獣も、掠奪したものや分捕った物をすべて取り、(11章)
 捕虜や分捕ったもの、掠奪した物を携えて、エリコの近いヨルダン川のほとりのモアブの草原の宿営にいるモーセと祭司エリアザルとイスラエル人の会衆のところに来た。(12節)



 アマレクとの戦いに苦戦した、かつての弱いイスラエルとは思えない、圧倒的な勝利でした。
 しかし、モーセは、戦勝報告をした指揮官たち、千人隊長や百人隊長に対して、怒ったのです。彼らがミディアンの女たちを、全部生かしておいたからです。
 この戦いは、ミディアン人が、女を使ってイスラエルの男たちを誘惑し、結果として二万四千人が死ぬ事件が起こった、その報復の戦いと位置づけられているのです。イスラエル人の神罰の原因になった女たちを生かしておいてはならないというわけです。
 女でも男を知らない処女は(誘惑にかかわらなかったので)、生かしておいてもよいとされています。
 ただし、子どもでも、男の子の殺害は、命じられています。

 その上で、戦士たちは、七日間、宿営の外にとどまることを命じられます。その理由は、人を殺したもの、殺されたものに触れたものは、汚(けが)れていると見なされたからです。彼らが身につけていた衣服、皮製品、やぎの毛で作ったもの、木製品はすべてきよめなければならない、のです。
 
 戦争に行けば、人を殺し、また死体に触れるのは当たり前です。それらは汚れであり、悪であるとわかっていてもいくさに行かなければならないのが、世を生きる人間なのでしょうか。
 
 ともあれ、こうして、モーセは次の指揮官ヨシュアのために、カナン入りに向けて、一歩一歩、準備をするのです。





 
posted by さとうまさこ at 04:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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