2011年06月26日

Coffee Break297  負債の免除(申命記15章)



 
 七年の終わりごとに、負債の免除をしなければならない。(申命記15章1節)

 こんな法律がいま、日本で検討されたら、消費税引き上げどころではない大反対が巻き起こるでしょう。「弱い人を守る」とても良いアイディアのような気がしますが、じっさいにこのような法律ができたら、貸す人はいなくなるでしょう。銀行は貸すことができないだけでなく、銀行に預ける人もいなくなります。経済は根底から行き詰まってしまいます。

 じっさい、日本でも、むかし「徳政令」というものがありました。鎌倉時代に元寇の襲来などのときに、身代を傾けてご奉公(合戦に参加)した御家人が貧しくなり、その領地が金貸しに取られて苦しんでいるのを、救うために出された法律です。
 これは、それなりに意味があったらしく、その後室町時代になっても出され、今度は徳政令を要求する徳政一揆までが常習になりました。

 ただ、このような法律は、一時的に効果はあっても、貸す側もより巧妙になるので、結局は、貧しい人を完全に救うことにはなりません。


☆☆☆☆

 七年の終わりごとの負債の免除については、そのやり方、目的が書かれています。

 貸主はみな、その隣人に貸したものを免除する。その隣人やその兄弟から取り立ててはならない。主が免除を布告しておられる。(2節)

 外国人からは取り立てることができるが、あなたの兄弟が、あなたに借りているものは免除しなければならない。(3節)

 そうすれば、あなたのうちには貧しい者がなくなるであろう。あなたの神、主が相続地としてあなたに与えて所有させようとしておられる地で、主は、必ずあなたを祝福される。(4節)



 この布告が有効なのは、イスラエル人同士、さらにイスラエル人のなかの(同族の)兄弟ということになっています。目的は、借金が重なって貧しくなる者が出ないためです。負債の意味は今で言う借金ではなくて、種籾とか着る物、食べ物のことでしょう。支払いのために公には、金や銀が使われたかもしれませんが、今でいう「通貨」は、まだなかったのです。
 

 あなたの神、主があなたに与えようとしておられる地で、あなたのどの町囲みのうちででも、あなたの兄弟のひとりが、もし貧しかったなら、その貧しい兄弟に対して、あなたの心を閉じてはならない。また、手を閉じてはならない。(7節)

 「手を閉じてはならない」が、効いていますね。気持ちは(心は)あるけれど、と言うのではだめなのですね。今の時代に置き換えれば、じっさいに財布を出してお金を出して渡さないと意味がないというわけです。

 神信仰は、心の中の問題のような気がしますが、聖書においては、その始めから、神がなさることはすべて具体的で、目に見えることです。
 創世記の最初に、神が天地万物をじっさいにお造りになったのが、神の国の歴史の始りです。

 お金も、神様が仰せなので「しぶしぶ貸す」のではいけないとおっしゃるのです。
 もうじき免除の年の七年目が来て、債務が棒引きになってしまうからと、貸し渋るのはもっとも悪いことでした。
 
 あなたは心に邪念をいだき、「第七年、免除の年が近づいた」と言って、貧しい兄弟に物惜しみして、これに何も与えないようなことのないように気をつけなさい。その人があなたのことで主に訴えるなら、あなたは有罪となる。(9節)

 日本の徳政令は、政府による負債の棒引きでした。イスラエルのこの債務免除は、神の命令でした。
 借主が、貸してくれない相手を訴える相手は主(神様)ですから、民の信仰が固ければかなり機能したのでしょう。
 
 貧しい者が国のうちから絶えることはないであろうから、私はあなたに命じて言う。「国のうちにいるあなたの兄弟の悩んでいる者と貧しいものに、必ずあなたの手を開かなければならない。」(11節) 

 この負債の免除は、十戒の二つの分類の一つ、「あなたの隣人をあなた自身のように愛しなさい」の実践のひとつです。このおきては、どれくらい守られていたのでしょうか。


 千五百年後、イエス様はおっしゃっています。

 「自分の隣人を愛し、自分の敵を憎め」と言われたのを、あなたがたは聞いています。(マタイの福音書5章43節)

 しかし、わたしはあなたがたに言います。自分の敵を愛し、迫害するもののために祈りなさい。(44節)

 自分を愛してくれるものを愛したからといって、何の報いが受けられるでしょう。取税人でも同じことをしているではありませんか。(46節)

 また、自分の兄弟にだけあいさつしたからと言って、どれだけまさったことをしたのでしょう。
 異邦人(非ユダヤ教徒)でも同じことをするではありませんか。(47節)





posted by さとうまさこ at 00:00| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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