2010年11月03日

Coffee Break72 神に召された人




 つまずいても再起する人を、起き上がりこぼうし(起上小法師)と言いました。この言葉はもともと、だるまの底におもりをつけた人形のことです。ことわざ、「七転び八起き」もだるまを連想させます。
 私たちはだれも、差はあれ、「きつい」時期に直面します。私たちクリスチャンの用語では「試みに逢う」のです。自分の油断や不注意で招く不運もありますが、「自分は落ち度がないのにどうしてこんな目に?」と思うこともあります。そして、不運にあっても、それがかえって、益となって将来報われるような人生を願います。
 
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 ヨセフは冤罪で、取り調べもなく監獄に入れられました。ところが彼は、よほど人好きがする人間だったのでしょうか。今度は、監獄の長が彼を引き立ててくれるのです。同じ囚人でも、監視される側ではなく、監獄内を管理し、囚人たちをまとめる役に抜擢されます。ヨセフは役目を与えられると、だれよりも上手に効率よく仕事を果たすのです。
 なるほど、ヨセフは頭が良く、気が利いて「できる」男だったのだと思いたくなります。どうすれば、自分もあやかれるのかしらなどと、つい思ってしまいます。
 聖書は答えます。

「監獄の長はヨセフの手に任せたことについては何も干渉しなかった。それは主が彼とともにおられ、彼が何をしてもそれを成功させてくださったからである。」(創世記39章23節)

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 はじめに申し上げたように、聖書は神が主役の物語です。ですから、物語の進行の要所は、神さまの人間に対するお取り扱いにあるのです。
 アブラムが召し出されたのも、イサクが生まれたのも、サラとハガルの間に起こった悲劇も、イサクの結婚も、ヤコブの苦労もヤコブが四人もの妻をめとり、十二人の息子を持つに至るのも、神様のかれらへのお取り扱いなのです。
 アブラハムも神様から試練を受けています。約束を延ばされ、それゆえに、信仰が高められ確かになっています。イサクはそのような父を見ていましたから、まず、アブラハムの神を認め、すなおな、神の御心に適った人でした。ヤコブは生身の人間の欲望やアクの強さにしたがって生きるような人間でしたが、それを、神様は何度も試練に逢わせることで修正し、彼もしだいに信仰の人に変えられていきます。

 ヨセフはどうでしょう。
 ヨセフは、父ヤコブに愛され、天真爛漫にいい気になっているような若者でした。エジプトに売られるまで、ヨセフが祈ったとか、神と対話したとかの場面はありません。もちろん、ヤコブの家では毎日、神礼拝をしていたでしょうから、ほかの兄弟や一族のものと同じような信仰はあったでしょう。
 ただ、特別に、神が彼に顕現されたことはなかったのです。
 ヨセフへの神の働きかけはふしぎです。彼が、苦しんで神と対峙するとか、神様と「祈りの相撲」をとるとか、神の声を聞くわけでもないのに、ヨセフがエジプトで働くようになると同時に、神がともにいて、すべてを「良く」してくださったのです。

 ポティファルの妻の誘惑は、たんに三文小説的な「女からの誘惑」だったのでしょうか。やはり神がヨセフを「試みられた」のではないでしょうか。
 それを意識していたかどうか、ヨセフは神の御心に適う対応ができました。神がともにいてくださったからです。

「どうして、そのような大きな悪事をして、私は神に罪を犯すことができましょうか。」(39章9節)
 もし、ここで、彼が性的誘惑に負けていたら、彼の人生は終わっていたはずです。
 入獄した時にも、また、神様がともにいてくださったので、彼はさらに大きな幸運を手にします。
 
 新約聖書で、パウロは次のように語っています。

 神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださることを、私たちは知っています。(ローマ8章28節)

 旧約聖書に精通していたパウロの頭の中に、このときのヨセフの境遇があったのではないでしょうか。同じローマ人への手紙で、旧約聖書について、彼は書いています。

 昔書かれたものは、すべて私たちを教えるために書かれたのです。それは、聖書の与える忍耐と励ましによって、希望をもたせるためです。(ローマ15章4節) 

 ヨセフはもちろん、神のご計画に従って召された人でした。





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posted by さとうまさこ at 04:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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