2010年11月09日

Coffee Break78 またしても




 ヨセフは自分の屋敷に兄たちと弟ベニヤミンを招いて、そこで宴会を開きます。この宴会は、ヨセフはヨセフだけの席。エジプト人はエジプト人だけ。ヨセフの兄たちとベニヤミンは、へブル人専用の席と三つに分かれていました。ヘブル人は、たぶんエジプト人から差別されていて同じ席というわけには、いかなかったのです。

 部屋はかなり広いものでしょうが、ヨセフは、へブル人の席に来て召使に彼らの席順を指示したというのです。(創世記43章33節)
 これが、正確に年長者から順番になっていたので、ヤコブの息子たちは大いに驚きました。
 また、ご馳走は主人のところにいったん運ばれ、そこから、各席に配られたのです。召使がヨセフの命令どおり、分け前を彼らの前に配りました。しかし、ベニヤミンの分は、ほかの兄弟の五倍も多かったとのです。

 このような場面は、今の日本人には理解しがたいところです。貧しいならとにかく、ものすごい富と権力を持っている人なのだから、最初からそれぞれの席に食べきれないほどのご馳走を配ればよいのにと思うのです。
 ともあれ、彼らはヨセフと共に酒を飲み、酔いごこちになったのです。でも、宰相がヨセフだとは、だれも気がつきませんでした。
 ヨセフは、さびしかったでしょう。何度も接触しても、だれも自分に気がつかないのです。

☆☆☆☆


 さて、ヨセフは家の管理者に命じて言った。「あの人々の袋を、彼らが運べるだけの食料で満たし、おのおのの銀を彼らの袋の口に入れておけ。(創世記44章1節)
「また、私の銀の杯を一番年下の者の袋の口に、穀物の代金といっしょに入れておけ。」(2節)
 明け方、人々はろばといっしょに送り出された。
 彼らが町を出てまだ遠くへ行かないうちに、ヨセフは家の管理者に言った。「さあ、あの人々のあとを追え。追いついたら彼らに、「なぜ、あなたがたは悪をもって善に報いるのか。(4節)
 これは、私の主人が、これで飲み、また、これでいつもまじないをしておられるのではないか。あなたがたのしたことは悪らつだ』と言うのだ。」(5節)
 彼は彼らに追いついて、このことばを彼らに告げた。(6節)



 ヨセフはまたしても、兄弟をハメたのです。しかも、ベニヤミンの袋に、ヨセフの銀の杯を入れておいたのです。
 その上で、部下に一行を追いかけさせたのです。
 みんなびっくりしました。
「しもべどものうちのだれからでも、それが見つかったものは殺してください。そして、私たちもまた、ご主人の奴隷となりましょう。」(9節)

 これは、いかに自分たちが潔白であるかの、逆説的な言い方です。
 ところが、荷物を下ろして調べると、ベニヤミンの袋から出てくるのです。
 一行は、また、ひかれる罪びとのようにうなだれて、ヨセフのところへ引き返していきます。


 ヨセフが兄たちと会った後の、物語の流れを見ると、最初、スパイだと言いがかりをつけた事件。穀物の袋に支払いの銀を返しておいた事件。宴会の席順。ベニヤミンへの特別待遇と、作為的な行動が続きます。すべては、ヨセフが兄弟を懐かしがり、みんなが自分に気がついてくれるよう願ってやったことなのです。
 でも、あまり洗練されたやり方だとは思えません。どうして、はっきり、「兄さん。ベニヤミン。ぼくはヨセフです。おひさしぶりです」と言わないのと、わたしなどは思ってしまいます。

 しかしながら、さんざん逡巡した兄弟たちとの出会いの物語は、ベニヤミンがターゲットになることで、感動的な見せ場に向かうのです。



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posted by さとうまさこ at 04:00| Comment(2) | TrackBack(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
Posted by ビジネスマナー at 2012年04月13日 15:38
ブログの入れ方などの変更があり、コメントを受け取っていることに気が付きませんでした。申し訳わけありません。どうぞ、これからも、よろしくお願いします。ありがとうございました。
Posted by さとうまさこ at 2012年05月14日 18:51
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