2011年02月09日

Coffee Break168 長血の女(レビ記15章、マタイ9章、マルコ5章、ルカ8章)




 新約聖書のイエス様の癒しのエピソードのなかに、「長血の女の話」があります。(マタイの福音書9章20章〜22章、マルコの福音書5章25節〜33節、ルカの福音書8章43節〜48節)
 
 十二年間出血が止まらず、あらゆる治療をして、財産もなくしてしまった女が、イエス様の着物のすそにでも触れることができればと、群集に混じってイエス様に近づき、その衣のすそにさわります。すると、たちどころに出血が止まったのです。
 イエスさまは、からだから力が出て行ったのを感じて、振り向いてお聞きになります。
「だれがわたしに触ったのですか。」
 ひどく恐れてひれ伏す女に、イエスは言われます。
「娘よ。あなたの信仰があなたを直したのです。安心して行きなさい。」

 この話は、旧約聖書レビ記の15章を知っていると、さらに、その意味がよくわかる箇所です。


☆☆☆☆

 レビ記12章には、出産した女性への禁忌がありました。
 出産すれば、男の子を生んだ場合、七日間汚れる。女の子を生んだ場合、八日間汚れる、その間は、月経で不浄の女と同じように汚れているとされたのです。その期間が過ぎても、三十三日間(男の子を出産した場合)、または、六十六日間(女の子を出産した場合)、きよめのためにこもらなければならないと、決まっていました。
 出産は、お祝いすべきことであり、汚れだと言うのは納得できない気もするのですが、趣旨は、「こもらなければならない」にあるのだとも考えられます。
 出産した女性と新生児に、十分な休養を与えるのは、理に叶っています。

 同じように、レビ記15章では、性器からの漏出として、性病と推測できそうなものはもちろん、男性の射精から月経の出血、性行為そのものまで「汚れ」として、取り上げられています。
 それぞれに、きよめの方法も定められているのですが、健康的な性行為では、触れた物を洗ったり、水を浴びて、からだをきよめるだけです。(レビ記15章18節、21節22節)

 しかし、病的な漏出と婦人病の出血の場合、癒されるまでからだを洗ったりするのですが、治ったあとに、祭司に山鳩などのささげ物を持って行って、贖いをしてもらわなければなりませんでした。それだけ、汚れが大きいと言うことでしょう。


☆☆☆☆

 女性の出血は、生理的で健康な月経でさえ、その期間は「汚れる」とされたのです。十二年間、出血が止まらない長血の女は、ずっと「汚れ」の中にいるのです。出血のある女との性交渉は禁じられていますから、結婚もできません。結婚していたとしたら、夫との性的関係をもつことができません。
 汚れている女には、ほかの人が触れてはいけないなど、いろんな禁忌がありましたから、人付き合いもままならなかったでしょう。それで、「長血の女」は、あやしげな祈祷師や医者、薬に財産をつぎ込んでしまったのです。
 しかも、癒されることはありませんでした。
 そのような時、イエス様の噂を聞いて、「衣のすそにでも触れることができば・・・」と、すがるような気持ちでやってきたのです。

 彼女の期待は間違っていませんでした。イエス様の衣のすそに触れたとたん、即座にからだの痛みが去って血が止まったのです。

 彼女がどれほど深い苦しみから解放されたかを思う時、この奇蹟が、イエス様のほかの癒しと比べて──たとえば、死人のよみがえり、盲の人の目を開く、中風の人が立って歩くなど──とうてい小さいとは言えないと思います。

 イエス様は、旧約の律法の厳しいおきての元で、差別されていた遊女(売春婦)や姦淫の女を、汚れていると蔑むのではなく慈しまれ、開放されました。長血の女もまた、病気そのものに加えて旧約の厳しいおきての下で、苦しんでいました。
 その苦しみが大きい分、イエス様に救いを求める気持ちも大きかったのだと思われます。イエス様が、「あなたの信仰があなたを癒した」と言われたのは、事実なのです。

 



 
 
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posted by さとうまさこ at 04:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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