2011年05月09日

Coffee Break254 相続地を守る(民数記36章)



 民数記最後の36章は、また、マナセの子マキルの子ギルアデの氏族の土地問題になります。二度目の人口調査の後、ギルアデの家のツェロフハデの娘がモーセと、祭司エルアザルと、族長たちと、全会衆の前、会見の天幕の入り口に立って、彼女たちに相続地を下さいと願ったのです。
 ツェロフハデは娘だけを残して死に、男のいない家は人口調査で数えられず、そうすると土地をもらえない可能性があったからです。
 
 モーセが、問題を神の前に出したところ、神は「彼女たちにも土地を与えなさい」と仰せになったのです。(Coffee Break242参照)
 
 ところが、ツェロフハデの娘たちが土地をもらうことについて、同じギルアデの氏族に属する諸家族のかしらがモーセに訴えました。理由は、娘たちが、イスラエル人の他の部族に嫁いだ場合、彼女たちの土地がほかの部族のものになり、結果的に、マナセ族の土地は少なくなってしまうという懸念でした。

 その結果、主は、ツェロフハデの娘たちは自分たちの心にかなう人にとついでよいが、それは同族でなければならないと、決められたのでした。


 イスラエル人の相続地は、一つの部族から他の部族に移してはならない。イスラエル人は、おのおのその父祖の部族の相続地を固く守らなければならないからである。(民数記36章7節)
 イスラエル人の部族のうち、相続地を受け継ぐ娘はみな、その父の部族に属する氏族のひとりにとつがなければならない。イスラエル人が、おのおのその父祖の相続地を受け継ぐためである。(8章)
 こうして相続地は、一つの部族から他の部族に移してはならない。イスラエル人の部族は、おのおのその相続地を堅く守らなければならないからである。(9章)


 ☆☆☆☆


 奴隷の境涯から救い出されたイスラエルは、領土を持たない「神政政治国家」でした。と言っても、神は、彼らをエジプトから導き出される前から、カナンを与えると約束しておられたのです。

 ヨルダン川の東側まで到達した時、その約束どおり、カナンの土地の分配が行われたのです。しかし、人間の目で見ると、この時点で、まだ、カナンは彼らのものではありません。

 イスラエル人たちは、これからヨシュアを指導者としてヨルダン川を渡り、カナンを攻め取らなければいけないのです。
 そして、攻め取る前から、神は、イスラエル人の部族は、おのおのその相続地を堅く守らなければならない、と命じられるのです。領土があいまいにならないために、その移動が部族内にとどまらなければいけないのです。

 この感覚は、海に囲まれた国土で国が成立し、国土が外敵に取られて無くなるといった経験のない日本人には、理解しがたいのではないでしょうか。

 日本の歴史にも、戦国時代のような国盗り物語はいくつもありました。けれども、どんなに熾烈な戦いがあって領地が一方から他方に動いても、私たちは、だいたい同じ民族でした。決して、単一民族ではないのですが、まるきり違う異民族に国土を取られ、その地から追放されてちりぢりになることなど、ありませんでした。

 蒙古来襲があるものの侵略されることはなく、太平洋戦争では、沖縄が地上戦を経験しましたが、本土は空襲だけでした。無条件降伏と呼ばれるような敗戦だったのですが、国土はなくならなかったのです。


 ☆☆☆☆ 

 荒地を彷徨する民が、日々生き延びるだけでも奇蹟が必要でした。アブラハム・イサク・ヤコブの神が、イスラエルの民を養われたのです。
 どこへ行くにも、何を手に入れるのも神の守りがなければ、たちまち死に絶えるような環境の中から、国を整えていったイスラエルが、国土を手に入れるのは、砂漠を放浪するより大きな試練に思えました。彼らの多くは、自分たちが、カナンを勝ち取れそうもないので、エジプトに戻ろうとさえ言い出したのです。

 神が共にいて励まし、叱咤し、お導きになって、初めて、イスラエルはカナンに入るところまできたのです。
 厳しい情勢の中で、厳しい戦いに挑戦し、勝ち取ることで、イスラエル人の神信仰は強められていったのです。





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posted by さとうまさこ at 04:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | Coffee Break | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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